
部の中間にあたるところに25ほどの新工業都市ともいうべきものを作ることで農村から大都市圏への移動を防ごうと試み、多額の投資を行いました。 すなわち、東京に来なくても、その中間的に作られた新工業都市に行けばいい。そこに十分な工場などがあり、寮なども整っているので、雇用も確保されるというアイデアを実行に移したのです。しかし、実際には、人も産業も新工業都市に魅力を見いだせず、東京、大阪へ集中してしまいました。アイデアは非常に良かったのですが時期尚早だったのかもしれません。 しかし10年、15年経ったところで、これらの投資が非常に有効なものとして改めて機能し始めたのです。人口・産業の過度の集中によって東京などの大都市は、非常にコストが高くなり、また、環境も悪化してきました。そういったいろいろな弊害が出て、さらに大都市圏に工場を持つ、あるいは工場を設立するということが非常にコストのかかるものになってしまい、企業は大都市以外の場所に拠点を設置することになったのです。加えて、各地方自治体の誘致政策もあり、以前投資が行われた新工業都市に工場を設置するようになり、1O年、15年経てこの計画は実ったのです。このような経験は、他の国々でも利用できるものであると思います。 質疑応答
ナフシア・ホイ議員(インドネシア) 最初に黒田先生の非常に興味深いご発表に感謝と御礼を申し上げ、いくつか質問をさせていただきます。 まず、都市化を引き起こしている人口移動のもう少し細かい内容をお教えいただけますか。たとえば人口移動の内訳として、男性が多いのか、女性が多いのか、世帯単位で動いているのかについてです。また、ネパールの男女人口比率を見みますと、100人の男性に対して92人の女性ということですが、これは都市への移動に影響を与えているのでしょうか。 2つ目の質問ですが、お話を伺いながら、先生が分析されたことに焦点を合わせたいと思います。プル要因(誘因)が農業上の雇用であり、同様にこの地域での都市における雇用が生まれていると述べられました。これは2つのブル要因があり、経済社会にいい影響を及ぼし、同時に食料の生産にも良い影響を及ぼしていると述べられました。この点について、特に今お話しされました山岳、丘陵、低地の3つの地域における数値をお示しいただけますでしょうか。と言いますのは、これらの数値は、実際にこの3つの地域の中で持続的な開発を行っていくために限りある資源(ネパールの
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